レパートリー進捗状況(2019/5-6月)

あたらしい時代が始まってから、ひと月ちょっとが経ちました。

以前の記事で書いたレパートリープロジェクト(ワーグナー、エレクトラ、トゥーランドット)の、ひと月の進捗状況です。



1.ワーグナー
5月頭で《さまよえるオランダ人》を終了、次作《タンホイザー》へ移行しました。初期のワーグナー作品からは当時の定型をひしひしと感じられて、楽しいです。カヴァティーナも、コンチェルタートもある!!後年を思うと、驚きです。
そして深い情念の《オランダ人》に比べると、《タンホイザー》はきらっきらです。楽しいです。 殿堂のアリアなんて、輝いてます。エリーザベトはまっすぐで、とても楽しいです。どこか、ドニゼッティのラインで歌っています。
今後はご相談の上、声とキャラクター(まっすぐ、けなげ系……らしいです)に合ったものを勉強していくことに。やらないと決めたものは、ヴェーヌス、オルトルート、クンドリなどです。なんとなく、傾向が見えてきました。


2.エレクトラ
まずは、エレクトラのアリアから。ひとりでやると歌い散らかしてしまいそうで怖かったので、ひと月の間、声には乗せずにぶつぶつと読み続けて、レッスンで初めて声に乗せてみました。結果として、大成功。楽譜の読み込みというのが、とにかく大事なのだなあと感じる経験になりました。
意外に思えたのが、軽やかに歌った方がいいし、圧倒的に楽だということ。イメージとしてどうしても、アガメムノン!!という呼びかけにはすごい圧を感じてしまうのですが、その圧をうまい具合にエネルギーに変換して、その上で軽くいけるやり方が分かりました。たしかに、この方が音楽が自然に流れるし、響きが飛びます。
シュトラウスは、おそらく合う役の方が少なくて、たとえば《薔薇の騎士》の元帥夫人や《アラベラ》題役などは、どうやらキャラクターが合わないようです。でも、将来的に《影のない女》などはやっていきたいです。
今後は、劇進行に添っていきます。次回は妹さんとの場面です。


3.トゥーランドット 
イタリアオペラの中の強い女性へのアプローチも大事にしているトゥーランドットプロジェクト。その一環として、10/26に公演のドニゼッティ作曲《アンナ・ボレーナ》の勉強も本格的に深めています。ベルカントオペラのヒロインは初めてですが、このための下準備はずっと重ねてきました。こちら、改めてお知らせを書きます。みなさまにお聴きいただくのが楽しみです。
トゥーランドットは、時期を待っていた第3幕の勉強を始めました。ワーグナーやエレクトラを一緒に学んでいると、不思議と軽く感じます。ていうか、全身を使ったら、軽く歌っていいんですよね。無理に重くする必要は、全くないわけで。なにか、勘違いしていたみたいです。これも、3つの要素をバランスよく学び始めて、理解出来てきました。ドラマティックな役こそ、音楽と体を信頼して、軽く歌っていいのね!!


という進捗状況です。次のひと月は、どんな学びがあるか、いまから楽しみです。



藤野沙優 Official Web Site

まあるく、生きる。 まあるく、暮らす。