開いていく過程
レッスンの時に心掛けているのは、次のみっつ。
1.心と体の両面にアプローチして、それぞれの緊張と癖をほどいていくこと
2.体の内側の感覚を受け入れて、全面的に信頼していくこと
3.外側に何かを足していくのではなく、自分の内側に眠る答えに至るプロセスこそを、大事にすること
いつの頃からか、レッスンでは自分が率先して導いていこうとするよりも、その方の内側に眠る答えを掘り出して、磨いていくためのお手伝いをしていきたい、と願うようになりました。
そのため、以下のような流れを大事にしています。
1.ヒアリング
どんな歌を歌っていけるようになりたいか、いつまでにどのような目標を達成していきたいか、まず対話を重ねて、方向性の確認をおこないます。
2.アンカリング
毎回、一定の手順でストレッチ・脱力・呼吸法に取り組むことにより、心身の緊張をほぐすと共に、ベストな状態を生み出す意識の方向付けをおこないます。
3.ヴォカリーズ
その方の状態に合わせて、2-4種類程度のヴォカリーズに取り組みます。ヴォカリーズの難易度は、その方の状態によって変わります。
4.歌唱
その方の方向性に応じた1-3曲に取り組みます。ひとつの母音での歌唱、母音歌唱、子音+母音歌唱、ことばとしての歌唱と、段階に応じて、丁寧に取り組んでいきます。必要に応じて、体の使い方の調整もおこないます。
わたし個人の考えですが、「歌うこと」というのは、「どんな声を出すか」よりも「どんな体の使い方をするか」の方が重要だと考えています。そして「どれだけ言葉を語れるか」も。
楽譜と、楽譜に向き合うあなたの中に、すべての答えはひそんでいます。どんな音楽を奏でていきたいか、その答えは楽譜と、あなた自身の中にひそんでいます。でも時として、内側の答えと、外側に出てくる答えには、齟齬が生じます。その要因は、緊張であったり、癖であったりすることも多くあります。また、時に新たな技術を身につける必要もあります。わたしは、ただ、あなたが信じる答えにたどり着くためのお手伝いをしていくだけです。
本当のあなたの声に出会えるよう、本当のあなたの音楽に出会えるよう、お手伝いをさせていただければ嬉しい限りです。お目にかかれますことを、楽しみにしております。
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