うたごえと共に

昨年の春から、地元の江戸川区で「すみれソングクラブ」という、うたごえサークルを運営しています。いろんな世代の方が、お歌を通じて交流を深めてくださったり、懐かしいお歌を歌っていくことで元気になっていただけたらいいなあ……と思って、ピアニストの島裕子さんとご一緒に立ち上げました。


参加費は1回1,000円、月に1回の開催、ふらりと遊びに来ても、お休みしてもだいじょうぶ。そんな風通しのいい場を目指していたら、おかげさまでコンスタントに20人から25人ほどいらしていただけるようになりました。先日は、会員のみなさまと、地元の公園でピクニックもしました。一年たって、少しずつですが、心地よい場が育ってきているように思います。


「すみれソングクラブ」で取り上げるお歌は、唱歌や童謡、それに懐かしい歌謡曲などです。たまにJ-POPもやります。最初に軽い運動、発声をしてから、1時間半ほどかけてその月のお歌を歌っていきます。歌っていくうちに、みなさまのお声がどんどん変わっていって、笑顔が生き生きとしていくのが、なにより嬉しいです。


現在は「すみれソングクラブ」の他に、江戸川区の「合唱団ミモザ」、台東区のボイストレーニングの「藤の会」の指導をしています。先月からは新しく、新宿区の「コール・フロイデ」の指導も加わりました。その他に、南青山の「ヴァンクール音楽院」で声楽指導をしているほか、個人の生徒さんも教えています。


楽器は人それぞれに違うので、それに合わせていくことが非常に重要です。なので、基本となる体の使い方をレクチャーして、可能な限り、個人の細かい調整をしていきます。車の大きさや種類はそれぞれ違うし、車種によって細かなメンテナンスも変わってくるけれど、概観すると動かすための基本動作は同じなので、運転免許の教習をする必要がある……そんなイメージで取り組んでいます。


何よりも心がけているのは、こころとからだの緊張をほどいていくこと。緊張をほどいていくことこそが、基礎工事の前段階です。そうすることで初めて、その方本来のお声に向き合い、育てていくサポートをするための準備が整います。なので、アレクサンダーテクニークや、カウンセリング、コーチングの手法も、これまでの間に無意識に取り入れていました。


こうして、様々に教える仕事に携わっていると、なにより自分自身の学びが大きいです。そして、「うたう」ことの原点に、常に立ち返るように思います。そして、おひとりおひとりのうたごえが輝いていくことが、わたしを穏やかに照らしてくれているような気がします。


これからもっと、おひとりおひとりのうたごえに寄り添い、育てるサポートをするお仕事にも、より積極的に携わっていきたいなと願います。そのためにも、より自分の技術を磨き、人間性を深めていきたいと願います。

藤野沙優 Official Web Site

まあるく、生きる。 まあるく、暮らす。