さあ、台所に


昨日はチキンステーキの皮がぱりぱりに焼けたので、とっても嬉しくなりました。


皮をぱりぱりに焼くには、最初に皮のついた面を下にして、フライパンの蓋を1分ほど押し付けながら焼き付けます。その後、手を離して2〜3分焼いて、裏返したらホイルをかぶせて4分半……と試してみると、納得のぱりぱりふわふわなチキンステーキになりました。幸せです。


……というチキンステーキの焼き方は、NHK「きょうの料理」5月号のテキストで学びました。「きょうの料理」テキストは新年度から買いはじめたのですが、これが素晴らしいレシピ集なんですよ!時流にも沿っていて、さり気なく流行りのレシピを学ぶことができて、とても嬉しいです。


「きょうの料理」テキストを買い始めたきっかけは、自分の味を広げたくなったから。もともと料理は好きなのですが、このところ自分の味に飽きを感じるようになってしまったのです。そんなところに出会ったのが、「きょうの料理」。小学生の頃から大好きな番組でしたが、あらためてその良さを見直しました。近所のフタバ書店で「きょうの料理」テキストを見つけて、その色鮮やかな料理や、丁寧に作られた紙面に心を惹かれて、心に水が染み込んでいくように感じました。



このひと月半ほど、自分を見失ったように感じていましたが、ようやく落ち着いて世界を見直すことが出来るようになってきました。部屋や台所が荒れ放題になってしまっていたのを見回して、「ああ、このままではいけないんだ」と深く反省した時のことは忘れられません。落ち着いてお手紙を書いたりする時間がなくなっていたのも、よくありませんでした。


ひとつひとつのことに丁寧に取り組んでいくためには、時間が必要です。そして、わたしは不器用な器用貧乏なので、自分のエネルギー配分を前もって考えていかなくてはなりません。


わたしがいちばん大事にしたいのは、家人との穏やかな毎日の暮らし。そして、音楽です。あらためて、それが理解できました。


自分のキャパシティを理解して、背負えるだけの適切な量の荷物を背負うこと。それが、他の人に迷惑をかけないためにも大事なことなのだなと、理解することがかないました。


時間がすこしかかったけれど、ようやく台所に心を戻すことができました。自分の音楽は台所からしか始まらないことはよく理解していたのに、わたしは焦って、どこへ行こうとしていたのでしょう。わたしは焦って、何者になろうとしていたのでしょう。思い返して、苦い笑みを浮かべます。



今日のお夕飯は、新じゃがのミルクシチューにしましょう。鍋でごはんを炊きましょう。いっしょに白ワインもちょっぴりいただくことにしましょう。


さあ、台所に立ちましょう。





藤野沙優 Official Web Site

まあるく、生きる。 まあるく、暮らす。