2/11 ポスト・鼓動する聲 完結編「灯火の先」



歌劇団Kamite Tubeステージング
音楽朗読劇『灯火の先』(ポスト・コドウスル聲完結編)
 
尭(あき):藤野沙優(ソプラノ・朗読)
優:小松詩乃(ダンス)
音霊:荒木優太(Tp)、齋藤久美子(Fl)、舘亜里沙(Pf)
灯:江川智沙穂、さくら 他(Webパフォーマンスアーティスト)
 
脚本・演出:舘亜里沙
【原作】新美南吉「ひとつの火」「ごんぎつね」ほか
【曲目】Greensleeves to a ground(編曲:首藤健太郎)
クララ・シューマン《ある明るい朝に》
ヨーゼフ・マルクス《思い出》
ヴィヴァルディ《冬》より
マスカーニ《カヴァレリア・ルスティカーナ》より間奏曲(アヴェ・マリア)
ドビュッシー《シリンクス》
江川智沙穂《Improvisation》 ほか
 
美術協力:長澤直子
 
会場:成美教育文化会館グリーンホール
開演:14時(Festa@Green vol.1全体のスケジュールは別途チラシ画像を参照ください。)
入場料:前売1500円、当日2000円
※Festa@Green vol.1そのものは14時~21時の間開催しており、お1人様1枚のチケットで全ての演目を見ることができます。




 昨年、コロナの影響が広がり始めた時に、Webラジオでの朗読配信に取り組み始めました。家人が在宅勤務メインに切り替わった関係もあり、最近はなかなか更新ができておりませんが、「朗読」を通じて「聲」の表現に向き合った濃厚な期間でした。


 そんな折、2019年11月の《カヴァレリア・ルスティカーナ》でご一緒させていただいた演出家・舘亜里沙さんから、新しい企画「音の灯火プロジェクト」のお声がけをいただきました。YouTubeを通じて、リモートによる素材を組み合わせて、新しい芸術作品を作っていこうという企画。そして、その完結編は、劇場で上演されるという企画。新しい試みに、心躍りました。


 実は、私が朗読に向き合うきっかけとなったのが、亜里沙さんの演出された「鼓動する聲」の観劇体験です。オペラ歌手・役者の方々が、「聲」という媒体を通じた表現に深く向き合う濃厚な時間。それぞれの生き様が滲み出るような舞台に、魂をぎゅっと掴まれたような感覚を持ちました。


 そこから、自分の「聲」に対して、より思考を深めるようになりました。もっと、コンテンポラリーダンスのように、この「聲」を表現の媒体としていけないか。もっと、言葉を自由に語っていくことはできないか。そう考えるようになっていたところでした。


 亜里沙さんが題材として選ばれたのは、『ごんぎつね』で知られる新美南吉の作品。その世界に、心震えました。そして、「音の灯火プロジェクト」はスタートしました。


 よろしければ、これまでの作品をご覧に、そしてお聴きになっていただければ幸いです。



Vol.1 「ひとつの火」


Vol.2 「ナガレボシ」


Vol.3 「ひとつの火(リプライズ)」


Vol.4 「里の春、山の春」


Vol.5 「Pause」


Vol.6 「ラッパ」


Vol.7 「ひとつの火(リプライズ・2)」


Vol.8 「赤い蠟燭」


Vol.9 「ごんぎつね」


Vol.10 「ヒロツタ ラツパ」


Vol.11 「ヒロツタ ラッパ Ⅱ」


 Webパフォーマンスは、本番まで続きます。



 今回の脚本を受け取った時に、これまでの時間の積み重ねのすべてが伏線となって繋がって、総毛立ちました。そうか、こういうことだったのかと。



 私なりの解釈ですが、Webパフォーマンスでの私とさくらさんの朗読は、母と娘の時間の積み重ねだったのです。幼い娘に、母親が童話の読み聞かせをする時間。そして、幼い娘が、母親の膝の上でたどたどしく絵本を読む時間。そんな、幸せな時間の積み重ねの象徴だったのです。


 そして、その先の未来。結婚間近にこの世を去った娘、それを受け入れられない母。私が演じるのは、この母親です。母親が、娘の喪失に苦しみ、怒り、絶望に吼え、嘆き……そして、受け入れ、穏やかに見送るまでの、心の旅が描かれたのが、今回の脚本「灯火の先」です。


 稽古では、自分の知らない自分と出会う時間を重ねています。不思議な感覚です。


 深まっていく心の旅路を、また綴っていきたいです。



 今回は音楽朗読劇という形なので、途中で3曲歌います。いずれもドイツ語です。こちらについても、また改めて記していきます。



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 皆様に、新しい芸術作品をお届けできることを楽しみにしております。