2020年、ありがとうございました


 大晦日の午後、ルイ・アームストロングのレコードを聴きながら、今年のまとめの記事を書こうとしています。今年を、こんな穏やかな心持ちで振り返れるとは思ってもいませんでした。


 コロナウイルスの影響が出始めてから、早い段階で「本当の意味での収束は、3-5年はかかるだろう」と腹を括りました。また長いスパンで見た時に、音楽家を支えられる立場にも回れるように動いていきたいと決めました。


 当時の心持ちを記した記事がnoteに残っています。


 そして、まず今年の段階で決めたのは、「ライターとしての仕事を再開する」ことでした。ポートフォリオサイトを作り、案件に応募して、現在は戸越銀座の屋根屋さん・石川商店さんでのライティングやSNS運営のお仕事をさせていただいています。先日はご依頼のもと、手書きでニュースレターも作成しました。


 石川商店さんでは、戸越銀座商店街の公式応援隊「よりみち、とごし。」編集部にも携わっています。「ローカル×カルチャー×サステナブル」──「街から生まれる持続可能な文化育成」がライフテーマの自分には、とても幸せです。先日は、全国津々浦々のライターチームの皆様と、オンライン忘年会をして、とても楽しいひと時を過ごしました。


 また、インタビューサイト「ヒューマンインタビュー」の運営も始めました。今年は9人の方のインタビューと1件の座談会をさせていただき、10件の記事を執筆いたしました。秋口からは機材も導入し、写真撮影にも対応出来るようになりました。おかげさまで、大きな反響をいただき、身に余るお褒めのお言葉もいただき、嬉しい限りです。これもライフワークのひとつとして、来年も様々なジャンルの方々のお声をお伝えできるように、つとめてまいります。


 さらに10月に入ってから、ライター&コンサルの中村洋太さんのコンサルを受けたことがきっかけとなり、自身のキャリアについて、これまでとは違った視座から考えるきっかけをいただきました。ライターの皆様との交流からも、たくさんの刺激をいただいています。本当にありがとうございます。



 演奏面は、記事のリンクで振り返ってまいります。



 関係各位、心より感謝申し上げます。皆様との出会いのひとつひとつが、音楽を続けていこうと決める勇気の源となりました。本当に、本当に、ありがとうございます。


 来年は1/28開催の二期会サロンコンサート、まだこちらでは更新しておりませんが2/11開催の舘亜里沙さん作・演出の音楽朗読劇と続きます。


 来年はいまのところ、2月の音楽朗読劇以降は本番が決まっていませんが、だからこそ貴重な時間を使って、5ヶ年計画でドイツ・オペラのレパートリーを深め、育てていこうと決めております。遠目で見ていたマーラーも、勉強を始めようと決めました。


 その期間、本サイトでのオペラ・呼吸関連のコラムもより充実させていきたいと願っています。来年は「文筆家」と名乗れるだけの実績を積んでいきたいです。願わくば、紙媒体でのお仕事が決まりますように!


 また、ずっと趣味として学んできた経営学なども、より深く体系的に学んで、2-3ヶ年計画で「中小企業診断士」の資格を取ろうと決めました。将来は、ライティング面での技術サポートに加え、ボイストレーニングのレッスンで培ってきたコーチングの技術も組み合わせながら、音楽家の経営全般を支えられる相談役になれればいいなと願っています。秋口に霞ヶ関でちょっとしたお仕事のお手伝いをさせていただいた経験も、こうした気持ちを醸成させていくきっかけとなりました。


 1978年生まれの私は、来年43歳。歳よりも幼く見られるのが悩みの種でありますが、来年は実り多い50代のための種を蒔く一年としていこうと思います。将来の夢は、シルバーヘアが美しくて、赤い口紅が似合う大人の女性になることです。


 そう書いて気づきましたが、今年の5月から11月まで、Facebookの2000人を越えるコミュニティ「駒込を楽しみ隊」で連載していた、「駒込珈琲物語」の登場人物〈マダム〉は、私の理想の在り方かもしれません。海外の歌劇場で仕事をしてきた舞台芸術デザイナーであるマダムを主人公にした「カフェ・ポート・ブルックリンの朝」(全3回)を、リンクさせておきます。



 いくつになっても、新しい自分を切り拓いていくマダムの姿を描くだけで、背筋がぴんと伸びて、凛とした心持ちになりました。そういえば、この3回を書いていたのは、ちょうど二期会の『フィデリオ』期間でした。自分自身の劇場での経験も、この短編に吹き込まれているように思います。


 今年は小説を書く素地を鍛え直す一年でもありました。「ホフマンスタールみたいな不思議な世界の物語を書きたい」と願って、「幻想音楽奇譚」という短編小説集のサイトも作りました。クラシックの名曲からの着想を物語にしたもので、百物語を目指して全百話まで書きたいと願っていましたが、全十六話。およそ1/6ですね。いつか時季が巡ってきたら、続編をこりこりと綴っていきたいです。


 思いつくままに書いてまいりました。私生活でも変化がありました。8月に入籍いたしました。これからも、夫婦仲良く暮らして参ります。どうぞよろしくお願いいたします。



 さまざまなことのあった2020年でしたが、結果的には「在りたい自分」に近付くことが出来た、実り多い年となりました。これもひとえに、皆々様のおかげです。本当にありがとうございました。


 来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。くれぐれもお健やかに、穏やかな新年をお迎えください。




 


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まあるく、生きる。 まあるく、暮らす。